富裕層は一族の永遠の繁栄を望んでおり、そのために投資運用を通じた資産形成や有価証券、不動産等の資産管理だけでなく、次世代への資産承継対策、タックスや法律問題への対応、これらに付随して財団の設立および運営や社会貢献活動、ファミリー間の人間関係の調整、ボーディングスクールの手配など将来を見据えた一族教育などに腐心しています。
ところが日本では、一族内の財産を資産運用する場合も、原則として金融商品取引法や投資信託及び投資法人に関する法律等の法律が適用され、欧米のようなフレキシブルな投資運用や世代間二重課税を排除するスキームを組むことが困難になっております。
専門家も、弁護士法、税理士法などによって細分化され、また投資商品を取り扱うことができず、資産形成、管理、承継をワンストップで提供することができません。
このため、投資運用は証券会社やIFA等の投資アドバイザーに、また法律問題や税金問題は弁護士や税理士に助言を受けて、一族内の各個人が、個々の判断により投資運用や資産承継対策を行ってきました。
このような手法は、経済環境が安定していればそれなりにうまくいったかもしれませんが、経済のグローバル化とテクノロジーの指数関数的な進歩を背景に、伝統を破壊するイノベーションが莫大な富を生み出す一方で、前例踏襲の保守的な資産管理の手法では資産を毀損していくだけです。そこで近年、ファミリーの繁栄を永続するための総合的かつ横断的なコンサルティング、すなわちファミリーコンサルティングが望まれるようになってきました。